レーザー溶接の原理 - 溶接部の形成過程
レーザー溶接での溶接部の形成過程は溶融金属のくぼみの有無によって、熱伝導型と深溶込み型の2種類に分けることができる。下図にこの2つのタイプを模式的に示す。

図1 熱伝導型と深溶込み型レーザー溶接
熱伝導型レーザー溶接
レーザー溶接では材料表面でレーザーが吸収され、光が熱に変換されることで熱エネルギーが材料内に伝導して溶融する。この溶融の過程で、溶融池の形状があまりへこまず、深さより幅が広いタイプの溶接を熱伝導型レーザー溶接という。熱伝導型レーザー溶接はレーザーのパワー密度が比較的低いときに起こる。従って、反射損失が大きく加工能率があまり高くないので材料同士の溶着や接合、貫通しない溶接に用いられる。
溶接現象が安定なため溶接欠陥が生じにくく、溶融池の温度が低いために蒸気圧の高い元素の損失が抑えれれるなどの利点がある。
深溶込み型レーザー溶接(キーホール型レーザー溶接)
パワー密度が高い場合、溶融池で金属の蒸発が始まり、金属蒸気によって材料表面に反発力が生じるために溶融池にくぼみができる場合がある。これが深くなると空洞となる。この空洞のことをキーホールという。このキーホールによってレーザービームが材料内部に届くようになる。
深溶込み型レーザー溶接については、レーザー溶接のメカニズムで詳しく解説する予定である。
参考文献
- 絵ときレーザー加工基礎の基礎、新井武二
- レーザが変える加工技術、安永暢男
- 実用レーザー加工応用ハンドブック、オプトロニクス社編集部編

